一眼買って気になったんだけど、このAvとかTvとかってやつ何?
イマイチ使い方よくわからないんだけど…
じゃあ、まずはAvモードから使ってみよう!
一眼レフ(ミラーレス一眼)には、Av(A)だったりTv(S)だったり色々なモードがあって、結局どのモードで撮れば良いのか分からず、とりあえずオートで撮影している方は多いのではないでしょうか。
- 撮影モードの種類
- 露出について
- シーン別おすすめ撮影モード
- 【保存版】まるコピで使える設定値
この記事では、カメラ初心者がつまずきがちな、撮影モードの選び方と露出の考え方について、作例を交えながら紹介していきます。
とりあえずオートで撮ってる方は必見ですよ!
露出とは?
カメラのモードを知る上で、露出を理解することが大切です。
露出とは、撮像素子(さつぞうそし)に届く光の量のことを言います。
サツゾウソシ?何それ?
ゾウリムシか何かかな?
聞き慣れない単語だよね…
てかゾウリムシって(笑)
専門用語が出てくると、その時点でよく分からなくなりそうですが、安心してください。
簡単に言ってしまえば、露出=明るさです。
露出不足や露出がアンダーだと言われますが、これは写真の明るさが足りないと捉えれば大丈夫です。
逆に、露出がオーバーだと言われるのは、写真が明るすぎるということです。
露出=明るさ
露出アンダー=明るさが足りない写真
露出オーバー=明るすぎる写真
適正露出=明るさがちょうどいい写真
露出のトライアングル
露出ってのが明るさなのは分かったけど、何をすれば露出が変えられるの?
露出を左右する要素として、F値、シャッター速度、ISOってのがあるよ!
これらを露出のトライアングルって言うんだ!
詳しく見ていこう!
F値(絞り)
F値は絞りとも言われ、目の瞳孔と同じ働きです。
目を細めると、取り込む光の量は減るので見える景色は暗くなり、目をしっかり開くと取り込む光の量は増えるので景色は明るくなりますよね?
イメージしにくい人は、グラスと水で考えるとわかりやすいです。
シャッター速度=水を出している時間
F値(絞り)=出る水の勢い
露出=グラスにたまる水の量
つまり、F値(絞り)を絞る(F値を大きくする)と取り込む光の量は減るので写真は暗くなります。
一方で、F値(絞り)を開ける(Fを小さくする)と取り込む光の量は増えて、写真は明るくなります。
キヤノンの写真用語集で、この絞りの仕組みを説明していますので、詳しく知りたい人は要チェック!
とりあえず次のポイントを押さえておけばOK!
- 全体にピントが合う
- 写真が暗くなる
- ピントが合う面が少なくなる(=背景がボケる)
- 写真が明るくなる
シャッター速度
シャッター速度とは、シャッターを開けている時間のことです。
シャッターが開いている間は、ずっと光が取り込まれます。
F値の説明の例と同じく、水で例えるならば、蛇口を開けている時間なので、水を出しっぱなしにしていれば、グラスにたまる水の量(露出)は増えますよね?
つまり、1/2000秒のようなシャッター速度の場合は、この短い間しかシャッターを開けていないことになります。
一方で、20秒のシャッター速度の場合は、とても長い間光を取り込んでいるのがイメージできると思います。
カメラはシャッターが開いている間の光を記録する。
だから、動いているものをブレずに撮るには、被写体に応じたシャッター速度が必要となるってこと!
- ブレにくくなる
- 写真が暗くなる
- ブレやすくなる
- 写真が明るくなる
ISO(感度)
ISO(感度)とは、センサーに到達した光をどれだけ増幅するかということです。
簡単に言えば、ボケ具合にもブレにも関係せずに明るさだけ調整できる機能だということです。
ってことは、とりあえずISO上げておけばいいんじゃない?
正解!でも、ISOの上げ杉には注意が必要なんだ!
ISOの上げすぎに注意!
- 写真が明るくなる
- 画質が悪くなる
- 写真が暗くなる
- 画質が良くなる
ISOはセンサーが受け取った光をカメラの中で増幅しているので、言わば無理やり明るくしているということです。
なので、上げすぎてしまうと、ノイズといって写真がザラザラした感じになってしまいます。
一度、ISOを最小値と最大値で撮り比べて見てください。
最大値だと写真がすごくザラザラした感じになるのが分かると思います。
キヤノンの写真用語集で確認すると分かりやすいですよ!
最近のカメラは高感度なもの(ISOを上げてもザラザラした感じが押さえらえる)が増えてきていますが、どの程度ISOを上げるとノイズが入るかはカメラの性能にもよりますし、どの程度なら許容範囲かは撮影者次第なので、実際に最大値で撮影してみるとよいでしょう。
ちなみに、ISOはInternational Organization for Standardization(国際標準化機構)の略で、ISOが定めた国際規格であり、光に反応する感度を示しています。
覚える必要はありません(笑)
また、読み方ですが、アイエスオー、もしくはイソ感度と呼ぶのが一般的です。
露出の考え方
F値、シャッター速度、ISOの3つの値に応じて、カメラに取り込む光の量、つまり写真の明るさが決まります。
写真を撮ってみて、「暗いなあ」と感じれば、どれかの項目を上げてあげることで、写真が明るくなります。
逆に、写真が「明るすぎるな」と感じれば、どれかの項目を下げてあげることで、写真が暗くなります。
F値、シャッター速度、ISOのどれかを下げる
F値、シャッター速度、ISOのどれかを上げる
どれかを1段下げたら、どれかを1段上げてあげることで同じ明るさになる!
露出補正(EV)とは?
カメラのモニターを見るとEVと書いてある項目があると思います。
これは、露出補正といって、カメラが決めた露出に文句をつける機能です。
カメラが適正露出だと判断した明るさよりも、もっと明るくしたい場合はプラスに、暗くしたい場合は、マイナスにすると、自分のイメージにあった露出になります。
撮影モードの種類
オート
とにかく深く考えずに写真を撮りたい時
オートモードといっても2種類あります。
- フルオート(インテリジェントオート)
- プログラムAE(Pモード)
フルオートは、何から何まですべてカメラにおまかせのモードです。
何も考えずに、シャッターボタンを押すだけで写真が撮れます。
プログラムAE(Pモード)は、ピントを合わせてシャッターを押すだけのモードです。
少なくとも狙ったところにピントを合わせたいときはこちらですね。
Av(A)絞り優先モード
ボケ感をコントロールしたい時
Av(A)絞り優先モードは、F値を手動、それ以外を自動で設定するモードです。
とにかく背景をボカしたい時や、全体をくっきり撮りたい時など、ボケ感を自由自在にコントロールできるので、このモードにしておけば基本的に何でも撮れてしまう、使用頻度の高いモードです。
Tv(S)シャッター速度優先モード
被写体のスピードをコントロールしたい時
Tv(S)シャッター速度優先モードは、シャッター速度を手動、それ以外を自動で設定するモードです。
動くものを狙ったスピードで撮りたい時におすすめのモードです。
例えば、電車、飛行機、スポーツカー、走っている人、動物、魚 など
動きの速いものをピタッと止めたい時にはこのモードが便利です。
M マニュアルモード
全てこだわって撮りたい時
マニュアルモードは、F値、シャッター速度、ISOを全て手動で設定するモードです。
全て自分で決められる分、表現の幅は広がりますが、使いこなすには慣れが必要です。
星空など夜景の撮影や、花火など様々なシチュエーションで必要となるモードです。
三脚を使うことでより自由度も増します。
三脚については、以下の記事で詳しく説明しています。
シーン別おすすめモード
人物
ポートレートをうまく撮りたい方は多いと思います。
被写体が走っていたりしなければ、ボケ感を調整しやすいAv(A)絞り優先モードが便利です!
Av(A)絞り優先モード:背景のボケ具合を調整しやすいこのモードがおすすめ!
F値:開放〜5.6
最小F値だと背景がとてもボケて、これぞ一眼レフ!という感じに撮れます。
ボカしすぎず、もっと背景の情報も入れたい時は、少しF値を大きくして5.6で撮ると良いでしょう。
人物撮影にはF値の小さい明るい単焦点レンズ!特に50mmがおすすめですよ!
風景
季節ごとの風景の写真を撮るのって楽しいですよね。
風景写真は、基本的には絞って撮る(F値を大きくする)のが鉄則!
(もちろん、ぼかすのも場合によってはありです)
Av(A)絞り優先モード:全体のピントが大事になるのこのモードがおすすめ!
M マニュアルモード:シャッター速度も調節したい時には、Mモードもおすすめ!
F値:8〜14
奥行きのある風景全体にピントを合わせるには、F8以上がおすすめです。
あまりF値を上げすぎる(一般的にはF16〜)と、回折現象といって写真の解像度が落ちてしまうので、注意が必要です。
風景や花などをきれいに撮るには構図が大切です!以下の記事を参考にしてみてくださいね。
動物
スピードの速い動物には、シャッター速度が調節しやすいTv(S)シャッター速度優先モードがおすすめ!
Tv(S)シャッター速度優先モード:動き回る動物をブレずに撮るにはこのモードがおすすめ!
シャッター速度:1/1000
素早い動物の動きをピタッと止めるには最低でも1/1000より速いスピードでシャッターを切る必要があります。もちろん、のろのろと歩いている動物の場合はもっと遅くても大丈夫です。
大事なのは、この動きを撮るには、どれくらいのシャッター速度が必要かを知ることです。
動物写真の撮り方については、以下の記事で詳しく説明しています。
夜景
夜景をきれいに撮りたいけど難しそうと思われる方は多いですが、意外と簡単です!
以下の設定まるコピできれいに撮れますよ!
M マニュアルモード:細かな設定が必要となる夜景は全て自分で決められるこのモードがおすすめ!
F値:8〜14
シャッター速度:1/1000
ISO(三脚あり):100〜400
ISO(三脚なし):3200〜12800
上の写真のように鏡面反射を狙うならシャッター速度は遅くすることで滑らかになります。
一方で、夜の遊園地など観覧車やメリーゴーランドなどは日中と変わらないシャッター速度で撮るときれいに撮れます。
F値は、主題と副題がはっきりしている場合は、小さい値で、風景のように全体にピントを合わせたい場合は、大きい値で撮ると良いでしょう。
イルミネーションについては以下の記事で詳しく書いていますので、ご覧ください。
適切なモードを判断するには?
優先順位で決める!
あなたが撮りたい写真の優先順位を決めることで、自然とモードが決まります。
A(A)絞り優先モードで決まり!
実際、日中の撮影であればシャッター速度が自動でもブレるほど遅くはならないので、そんなときに便利なのがやっぱりAv(A)絞り優先モードです。
ぼかしたい具合(F値)のみ手動で決めれば、あとはカメラ側で自動で決定してくれます。
結論:Avモードが最強!!
今回紹介したように、Avモード(絞り優先)だとボケ具合の調節が簡単にできるので、イメージした通りの写真が撮りやすいと思います。
状況に応じたモードの選択も大事ですが、まだオートしか使ったこと無いという方は、ぜひ、Avモードを使ってみてください。
Av(A)絞り優先モードが最強!