建物の写真って撮るの難しい!
なんかコツない?
コツは水平と垂直!
詳しく説明するよ!
神社やお寺、古い町並みなど、建物を撮る機会は多いはず。
でも、人や自然風景と違って撮るのが難しいと悩んでいませんか?
次の2つの写真を見比べて見てください。
建築写真で最も大事なのは、水平と垂直です。
では、なぜ水平と垂直が大事なのでしょうか。
それを踏まえ、きれいに建物を撮れるようなコツを伝授します!
- 建築写真の考え方
- 建築写真の撮り方
- 建築写真を撮るためのおすすめグッズ
建築写真の考え方
まずは、建築写真を撮る上で、押さえておくべき考え方について紹介します。
安定感
建築写真の鉄則は2点
- 水平
- 垂直
この2つを意識して撮ることです。
カメラを斜めに傾けたりすると、レンズの特性上、建物が歪んでしまいます。
まずは、カメラを建物に向けてまっすぐに向けることで建物の安定感がでます。
とりあえず、おしゃれだと思って斜めにして撮ってたけど、
確かにそれだと安定感ないわ
水平・垂直を意識してカメラを向けることで安定感を出す!
余白
続いてのポイントは、余白です。
上の写真では、下半分に建物を、上半分に青空を配置しています。
そうすることで、建物が安定して見えます(座りがよくなるといいます)。
また、左右にも少し空間を空けることで、建物が窮屈な感じを受けず、落ち着いて見えます。
余白を取ることで、建物に落ち着きを生み出す!
情報量
もう一つ大事な点は、情報量です。
写真CとDを比較してみましょう。
写真C
写真D
- 建物
- 池
- 空
- 木
- 橋(写真左)
- バス停?ベンチ?
- 建物
- 池
- 空
- 木
情報量は、写真D<写真Cとなりますが、どちらが良くてどちらが悪いというわけではありません。
何を見る人に伝えたいか(撮影意図)によって、切り取る部分が変わってきます。
例えば、写真Cでは、建物に加え、古い橋が見えるので、昔の街かな?と想像できます。
また、建物の周りも写っているので、敷地が広いことが分かります。
逆に言えば、色々な情報があるので、建物の重要性が少し薄れてしまうとも考えられます。
一方で写真Dでは、建物以外に写っているのは、池と空と木くらいなので、建物に視線が集中します。
つまり、伝えたいのは建物だというのがハッキリします。
逆に言えば、建物以外の情報が少ないので、その建物がどんな場所に建っているのか分かりづらいとも考えられます。
何を伝えたいのかで、一枚に含める情報量を決める!
建築写真の撮り方
では、次に写真の撮り方を見ていきましょう。
構図
建築写真の構図は三分割構図・放射線構図・額縁構図がおすすめです。
三分割構図
- 三分割構図とは
-
縦横を三分割にしてその交点に被写体を置く構図です。
上の写真は、横を三等分した際に、一番下のブロックに建物が配置されています。
建物の上の空間ができて、バランスよく見えますよね。
三分割構図に関して詳しくはこちらの記事に書いています。
放射線構図
- 放射線構図とは
-
写真のどこか一点から線が放射状に伸びていく構図です。
上の写真は奥の祭壇から手前の椅子に向けて線が伸びている構図となっています。
手前は大きく、奥は小さくなっているので、奥行き感が出ていますよね。
こちらも同じく、道の地面スレスレを写すことで、手前から奥への奥行き感が出ています。
通路や橋など長い直線が続く建物は放射線構図で奥行き感を出すとグッド!
放射線構図については、こちらの記事で詳しく書いています。
額縁構図
- 額縁構図とは
-
写真の中に枠を作り、額縁で囲んでいるかのように見せる構図です。
少し被写体が物足りない時は、枠を作り囲むことで輪郭が強調され、きれいに見えます。
試しに枠のないバージョンと見比べてみてください。
これはこれで、悪くはないですが、ちょっと物足りなさを感じると思います。
また、この紅葉と東寺の写真のように、上部分だけ囲むことでも輪郭の強調ができます。
額縁構図で被写体を強調する!
焦点距離
建築写真は基本的に、超広角〜広角で撮るのが一般的です。
14〜20mm 超広角
24〜35mm 広角
これらの画角で撮る際に注意すべきは、パースペクティブ効果(パースとも言う)です。
簡単に言えば、手前が大きく、奥が小さく見えるということです。
これが強すぎると、実際に目で見るのと写真との間に違いが生まれるので、あまり好ましくありません。
設定
設定は、建物の外観なのか内観なのかなど、条件により異なりますが、共通して言えるのは、基本的に絞り値(F値)を大きい値にするということです。
絞り優先(Av)モード
シャッター速度:オート(遅いと手ブレに繋がるので注意!)
絞り値:F8〜14
ISO:オート
上の聖堂の写真のように、手前から奥までしっかりとピントを合わせるには、F値を大きい値にする必要があります。
F値とピントの関係は、以下の記事で詳しく説明しています。
撮影モードは絞り優先(Av)モードで構いませんが、シャッター速度が遅くなるとブレに繋がるので、ISOを高めにあげておくことが必要です。
もしISOの上げすぎによる画質の劣化が不安な場合は、三脚を使用することでシャッター速度を稼ぐことができます。
三脚については、こちらの記事で詳しく説明しています。
もちろん、建物が主題で手前に副題を入れるなら、F値を下げるのもOKです。
奥の建物にピントを合わせ、手前の花を前ボケとして入れた写真です。
基本は、F値を大きくしてピントを全体に合わせる!
撮った写真の編集方法については、こちらから!
おすすめグッズ
レンズ
建築写真で重要なことは、レンズ選びです。
建物全体を写すことのできる広角レンズがマストバイアイテムです!
他にも、水平や垂直の歪みを補正する、ティルトレンズ・シフトレンズというものがありますが、建築写真家でなければ、なくても問題ないので割愛します。
広角レンズ
私も愛用しているCanon RF 16mm F2.8 STMは建築写真に最適なレンズです。
Canon RFシステムユーザーにはこちらがおすすめ!
建物ではありませんが、RF 16mm F2.8 STMで撮った作例をご覧ください。
16mmという超広角域をカバーするレンズで、EOS R6やEOS RPなどRFシステムを使っている方にとっては、ベストバイなレンズです。
EOS RPなどCanonのカメラについては、こちらで書いていますので、ご覧ください。
Canon EFシステムユーザーにはこちらがおすすめ!
EOS KissシリーズやEOS 90Dなど一眼レフを使っている方には、SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSM(キヤノン用)がおすすめです。
私自身、カメラを始めた頃に買ったレンズで、これを使って数多くの写真を撮ってきました。
一つ作例を紹介します。
建築写真には広角レンズがおすすめ!
三脚
必ず必要というわけではありませんが、ブレを防ぐためにはあると便利です。
なぜ三脚が要るのか、三脚のメリットに関してはこちらの記事で書いていますので参考にしてみてくださいね!
C-PL(偏光)フィルター
ワンランク上の建築写真を撮りたいなら必須!!
レンズにつけるフィルターは様々なものがありますが、建築写真を撮る上で特におすすめは、C-PL(偏光)フィルターです。
フィルターをくるくる回すことで光の反射を減らし、コントラストを上げることができます。
- 建物の表面反射を押さえられる
- 青空がキレイに見える
- ガラスの映り込みが減る
- 水面の反射が減る
- 葉っぱの反射が減る
日中は、太陽の光が思っているよりも被写体に当たり、白くなりがちです。
光の反射を防ぐことで、本来の色をしっかりと出せるようになるのがこのフィルターです。
風景写真・建築写真・物撮りなどをやる方は必須!
まとめ
今回紹介した建築写真のコツ、水平と垂直は、建築写真以外にも応用が効きます。
まずは、設定値など紹介したものをそのまま使ってみて試行錯誤するのが写真上達への近道です。
キレイな写真が撮れたら印刷もしてみましょう!